海洋散骨の費用と相場、安く済ませる方法とは?

散骨
引用:散骨@マガジン

少子高齢化で新たにお墓を買う人達が激減中です。まぁ当たり前というか自然の流れですよね。お金が無いと言うよりも、子孫が途絶えてしまうのにお墓を建てどうするの?という話なんだと思います。それを裏付けるように昨今「墓じまい」をする方も急増しております。

墓じまいについての裏話はまた別の機会にするとして、今回は専門的な目線で「海洋散骨」についてお話ししたいと思います。

昭和の時代は、葬儀と一緒にお墓や納骨堂など納骨先のお話をするのが慣例でしたが、最近では喪主様の方から海洋散骨についてのアドバイスをくれないか?と聞かれることがとても多くなってきました。

前述したとおり、お墓を建てたり納骨堂に納めたとしても、継承者が居ないのですからどうしようもありません。ご遺骨を放置してあの世に行けばご先祖様に怒られてしまうかもしれません。そうなると必然的に選択肢は「永代供養」か「散骨」の二択になります。

ここで一つ勘違いを払拭しておきたいのですが、納骨堂と永代供養は同じではありません。納骨堂というのはあくまでもご遺骨を安置するための設備の事を指しますので安置をしても供養しなければ単なる安置ロッカーなのです。多くの納骨堂が「永代供養付き」と宣伝してますが、実際に供養してるところは稀です。まぁこの話もまた別の機会にしましょう。

乗船型海洋散骨のメリット&デメリット

遺族が船に乗ってご自身の手で遺灰を蒔く散骨乗船型海洋散骨といいます。

メリットはズバリ「最期までやり遂げた感を得られる」です。遺族の手で遺灰やお花を蒔いて涙してお別れを偲ぶ行為は充実感で一杯にさせてくれます。大好きだったお父さん、お母さんをこの手でしっかり見送りたい・・・そんな方々に向いています。

デメリットは葬儀と同じくらい高額になることと、天候に左右されることだと思います。予約した日が晴れる確率は30%くらいですが、海は常に風が吹いてますので微風になる確率は5%以下です。

乗船型海洋散骨の費用と相場

海洋散骨の費用は、散骨する場所までの距離、船の大きさ、乗船人数、お食事や飲み物などの有無、サポートスタッフの多さやセレモニーの内容などで決まります。

一概には言えませんが40ft前後で船長+サポートスタッフ1~2名、お客様10名以下の中型船でお食事などあって30万円前後です。中型船でもお食事なしだったり、他のお客様と合同だったりすると15万前後まで下がります。

30ft以下で船長1名サポートスタッフ1名かなしで、ドリンクだけだと15万前後で結構あります。中にはもっと安くて10万前後でできる乗船散骨もありますが、船長1名でサポートなしや、1~2km程度しか沖に出ないですぐ帰ってくるなどセレモニーというよりか海上タクシーのような業者さんもいます。

何を選ぶかはお客様次第ですが、例えば高齢者ばかりで安全性を重視したいのであればサポートが多くてトイレ施設などが充実している大型船が良いですし、少人数で安く済ませたいのであれば小型船を選ぶと良いと思います。但し、小型船の場合は万が一の時は船長さん1名しか頼れる人はいませんので若くて健康的な船長さんのところを選んだ方が良いと思います。(というのも脳卒中を患った船長さんが1人でやってる業者さんなどもあったので)

委託型海洋散骨のメリット&デメリット

遺族は船には乗らず、専門業者さんに海洋散骨を任せるものを「委託型海洋散骨」または「代行散骨」などと呼びます。

メリットはとにかく費用が安く済むところと、天候の良い日に散骨してもらえるところ、船酔いなどの心配が要らないといったところです。

デメリットはご自身で撒けないので充実感にやや欠けるというところと、散骨日時を指定できないといっったところです。

委託型海洋散骨の費用と相場

委託型海洋散骨の費用相場は1件あたり5万円前後です。散骨場所や船の大きさ等もありますが、多くの船舶オーナー達が加盟している協会などで価格が統一されているためこの相場に保たれています。値崩れを防ぐのと同時に紹介料を支払う都合上の理由があるようです。

加盟していない散骨業者さんなどはもっと高額だったり、逆に安かったりします。ですので実質的には1件あたり2~3万円程度が本当の費用相場なのかなと思います。但し、安価で請け負ってる業者さんの中には「ただ船を持ってるだけ」の個人や、不法係留してる怪しい方もいらっしゃるみたいなので信用のおける正規の業者さんを選ぶことをお勧めします。

乗船型か委託か迷ったら・・・

ということで海洋散骨についてあれこれ書いてみましたがいかがでしたでしょうか?

映画やドラマで遺族が船からサラサラ遺骨を蒔いてるシーンを見て「あ~散骨って素敵だな♪」と思ったかもしれませんが、あれは本当に天気が良くて波がない日に撮影してるわけでして、実際の海はもっと荒々しく、そんな凪の日は1ヶ月に2~3日しかありません。

それでもお金はかかってもいいからしっかり見送りたい方は乗船型散骨を選ぶと良いと思いますし、船酔いしてしまうかもしれないな~と思う方は代行散骨にされた方が良いと思います。

皆様がなるべく安く、安全に海洋散骨できるようお祈りしております。

引用:散骨@マガジン

 

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