海洋散骨よくある5つのトラブルとは?

散骨
晴れた日に船遊びいいですね

最近人気の海洋散骨ですが、散骨自体の歴史が浅いため情報も少ないですよね。そこで葬儀業者のプロとして過去の経験や関係業者のお話から海洋散骨時によくあるトラブルを特集したいと思います。

家族や親戚など、親族間のトラブル

最も多いのは、海洋散骨を巡って家族や遺族と揉めてしまうこと、これが本当に多いです。家族とはいえ宗教が異なったり、遺骨の取り扱いについての価値観が違ったりと様々なケースがありました。

中でも一番多かったのは、亡くなった方の兄弟姉妹によるトラブルで、「先祖代々のお墓に入れないとは何事か」や「遺骨は必ずお墓に入れなければいけないのだ」と言った昔ながらの価値観の押しつけや強要といったトラブルです。昔の人はお墓信仰が凄いですからなおさらです。

遺骨には必ず祭司承継権者がおり、基本的にはその承継者の意向で決定できるのですが、こうした親族はそれらを無視して意見し、トラブルに発展しているケースが多々見られます。

とは言え親族は無視はできない存在ですので、海洋散骨をしようと検討する場合は早い段階から相談・許可を取っておくことをお勧めします。年配の方々は「お金が無いから・・・」等の理由だと怒りがちですが、「継承者がいないから・・・」と言うと意外とすんなり納得してくれるそうです。無縁墓になるよりは良いということなんだと思います。

漁師やマリーナ、その他船オーナーとのトラブル

海洋散骨の場合、ボートや船は必需品です。多くのマリーナでは船の使用目的に制限は設けていませんが、漁港などでは「縁起が悪い」という理由で海洋散骨を禁止している所もあります。中には元漁師さんが漁師を引退して新たな仕事として海洋散骨のお手伝いをしてるケースもありますので一概には言えませんが、漁港では散骨はあまり受け入れられません。

プレジャーボートなどを係留しているマリーナでは散骨を禁じていると言うよりも商用利用そのものを禁じているケースがほとんどです。ですが実際はオーナの友達として乗船させて散骨してる業者などもいますので「友達ってことにしておいてくださいね」と言われたら要注意です。

事前に防ぎようがないトラブルではありますが、いざ散骨しようとして海洋に出てから他のボートとトラブルになることが稀にあります。特に週末、ボートが大勢行き交う沿岸エリアで散骨したりすると「こんな所でやるんじゃない!」みたいな事を言われることがあるようです。以前マリーナに海洋散骨で蒔いた花びらが流れ着いてボートオーナー達が怒り狂ってました。

東京湾や大阪湾など船舶の多い場所では最低でも5km以上沖で散骨した方がトラブル回避になると思います。

地元住民とのトラブル

海洋散骨はボートに乗らなくても砂浜や岩場等沿岸で実施することも可能です。法律上、遺骨は粉骨すれば基本的にはおとがめなしです。ただ散骨する場所や時間帯には注意した方が良いと思います。海水浴場や人気の釣り場などで蒔けばそれは近隣住民とトラブルになるに決まってますから。

お勧めは磯とか岩場でしょう。遺骨は海に蒔くと真っ白になりますが、岩場なら打ち寄せる波が見えなくしてくれますから。早朝お散歩がてら人知れず散骨するのが良いかもしれませんね。

葬儀会社とのトラブル

本業ですが、やはり慣れというか、遺族にとっては大切な故人なのですが、私たちからするとそれほど思い入れはないので扱いが若干雑になってしまうところがあるんだと思います。本人達はそう思ってないのですが遺族にはそう見えてしまうことがあるのでしょう。

最近では葬儀会社が海洋散骨の受付をしていたりましすが、自社船を持っていてスタッフ自ら海洋散骨してる会社はほとんどありません。大抵の場合、散骨専門業者に委託してますので料金は高くなります。委託なのに5万円とかするのは仲介料を貰うからです。海洋散骨を安く済ませたいのであれば葬儀会社経由ではなく、海洋散骨の専門業者に直接依頼された方が良いと思います。

まぁでも全体的に葬儀業差による海洋散骨のトラブルはあまり聞きません。委託なので。

散骨業者やボート会社とのトラブル

最近は海洋散骨専門の業者さんが増えてきました。こういった業者さんの中でトラブルを起こしまくっているのは個人でやってる散骨業者さんです。定年を迎えたお爺さんが第二起業みたいな感じで始めた散骨業が結構な割合でトラブルを起こしているのをよく聞きます。

最も凄かったのは散骨を委託された遺灰をボートの上からポイポイ投げて、最後にほんの少しだけスーパーで買った仏花を投げておしまい。これ嘘のようで本当の話で、実はそのときの動画も残っているんですよ。「後は編集でどうにでもなる」みたいな事も録音されて本当に観てて腹が立ちました。

この方のホームページには結構なきれい事が書いてあるんですよね・・・裏表酷いなと。なので年配の方が1人でやってるような散骨代行とかは止めた方が良いと思います。供養なんて全然してません。

悪天候によるキャンセルトラブルが増加

海洋散骨は何と言っても天候次第です。晴れて凪の日であれば大満足ですが、雨の日に散骨ともなれば「どうしてこんな日に!」と文句を言いたくもなります。(石原慎太郎さんの散骨は雨でしたけどね)

こうした悪天候の場合、散骨業者は少々の雨や風なら出港してしまいます。なぜなら出港しないとお金にならないし、順延になって再予約となると次のお客さんが予約ができなくなるからです。

こうした顧客無視の予約とキャンセル拒否みたいな状態がやんわり続いて遅延トラブルに発展するケースはしょっちゅうあります。まぁトラブルというか天候の影響なのでどうしようもないのですが、お客様の目線から見たらトラブルですよね。

ですので、海洋散骨業者を選ぶときはキャンセルポリシーをよく読んで、天候によるキャンセルの場合はキャンセル料を取らない業者さんを選んだ方が良いと思います。このキャンセルもお客様側が「今日は悪天候だから中止して欲しい」と言ってもキャンセルできるくらいの業者が良いですね。探せばいくらでもあると思います。

お寺やお坊さんとのトラブル

以前は「散骨なんてするもんじゃない!」と住職さんに説教される事が多かったようですが、最近では継承者が居なくなってお墓を放置されるくらいなら散骨でも何でもいいから引き取ってください的な所が増えました。

中にはお寺が率先して海洋散骨してたりする所もあります。宗派によって遺骨に対する考え方や価値観が異なるのでこういう現象が起きているのでしょう。ですので最近ではめっきり減りましたが、檀家さんを止めるなら数百万持ってこい!と言って裁判にまで発展した事例もありますので、揉めないようにお話を進めることが望ましいと思います。正直、10万も包めばほとんど揉めないと思います。要はそういうことです。

とまぁ結構本音と表に出てこないエピソードで書かせてもらいましたが参考になりましたでしょうか?とにかく乗船型散骨はトラブル多いのは本音です。やはり遺族が週末しか集まれない、その日が晴天で凪の日・・・なんてそんな奇跡はめったに起きないからでしょう。海は大抵風が吹いて波立ってますから思いのほか揺れて船酔いして「二度はいいわ・・・」となるのがパターンだと思います。ですのでよほど思い入れがない場合を除き、海洋散骨は代行型をお勧めします。

晴れた日に船遊びいいですね

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