閉眼供養の時に支払う「お布施」はいくら包めば良いものか?

御布施 墓じまい

墓じまいの際に閉眼供養をする方が多いと思いますが、その際にお坊さんに支払う「お布施」をいくら包んだら良いか不明瞭で困りますよね?

そのお布施の金額について、墓じまいに立ち会った際に、さりげなくお客様や石材店、住職など聞いてきた実例からお話させていただきたいと思います。

お布施の相場は5万円でした

以下の結果から、閉眼供養の時に支払われるお布施の金額は5万円が最多です。その次が10万円です。

仲介サイト等を利用して供養を依頼すると手数料や消費税が上乗せされるので3.85万円など半端な数字が出るので中間値があるようです。

お布施の金額件数
11万円以上2
10万円5
6万円~9万円1
5万円10
3万円~4万円3
1万円~2万円4
0円2
合計27

墓じまいを請け負った石材店が仲介する時もあり、その際に「3万~10万円くらいです」とお客様に伝えると、大概5万円を包んでくるそうです。日本人らしいですよね。

お寺側としてはたくさん貰いたいようですが、昨今は墓じまいされる方の高齢化もあり、バブル時代のように20万、30万といった金額は望めないそうで、5万円でも支払って貰えるなら有り難いとおっしゃってました。

ただお坊さんも生活があるのでさすがに3万円だとションボリしてしまうと思います。このあたりを加味してやはり5万円が丁度良いのでしょう。

御布施

お布施は先に支払った方が良い理由

閉眼供養というのは宗派やお寺の規模によりけりなのですが、通常は僧侶が墓前で10分前後のお経を読みます。

供養後に遺族が僧侶に駆け寄って「ありがとうございました」とお布施を手渡すシーンが多いのですが、この後払いを前払いにするとお寺側が対応し易くなります。

チップを想像していただけると解りやすいと思うのですが、「今日は特別な日だからよろしく」と高額なチップを手渡されたらどうでしょう?張り切ってサービスしますよね?

お坊さんも似たようなところがありまして、高額なお布施の場合は先払いしておくと、墓前にテントを建ててくれたり、閉眼供養の後に茶菓子を用意してくれていたりと結構サービス精神が旺盛なのです。その代わりお経が長くなることもあります。

お布施が少ない金額の時も前払いしておくと、逆に余計なことはせず、質素完結に済ませてくれます。これはお坊さんなりの配慮で、少額なのに豪華だと逆に遺族が「申し訳ない気持ち」になってしまうことを防ぐためです。

お坊さんと言うとフェラーリなイメージがありますが、本来は貧しい方々へ寄り添いますので温厚で良い方の方が多いです。

こんな時は少し多目に包んでおきましょう

ご自身が仏教に興味が無くとも、ご先祖様が檀家となり、あなたが祭祀承継者となって墓じまいするわけですから「終わり良し」でなければ申し訳が立ちません。

檀家さんとして支払うべき年会費や諸経費、法要時に支払うべきだったお布施などを滞納していた、またはずっと法要すらしていなかった事実を知った時は、少し大きなお布施を支払っておきましょう。

前述した30万支払った方はまさにこのパターンでした。両親が無関心でずっと支払をしておらず、相続で継いだお孫さんが離檀料の代わりに多目のお布施を支払って離檀としたわけです。

この時の住職は「いや~本当によくできたお孫さんだ」と感心してました。こういう方はめったにいないそうです。

お布施は「要らない」と言われた話

30万円のお布施を支払う方がいる一方、お布施を1円も支払わなかった方もいました。

1名は住職さんより「長年檀家さんでしたので閉眼供養料は不要です」と言われた方です。

初めて聞いた時はなんて懐の深い住職だろうと思いましたが、檀家さんとして既に結構な金額を支払ってるみたいでした。

もう1名は頭を上げるのも難しいかなりご高齢なお婆さまで、身寄りも無く、自分の余命もわずかなので墓じまいをしたいと相談があったそうで、内情を知った住職のはからいでした。

帰りに何度も何度も頭を下げて、カートを押しながら帰る後ろ姿に人生の重さを感じてしまいました。

閉眼供養初心者の皆さんに伝えておきたいこと

閉眼供養に何十万もかかると思っていらっしゃる方も多いと思いますが、実は5万円+交通費くらいで済んでしまいます。お布施と聞くとちょっと戸惑ってしまいますが、相場が判れば堂々と出せます。

ただご自身の経済状況を考慮して決して無理はする必要はないと思います。見栄を張って多く払ったところでお経の内容は同じです。

費用はともかく、閉眼供養は夏にやるのは止めた方が良いと思います。2024年は9月、2023年は8月が連日40℃超えの猛暑で、墓石に触れたら火傷するくらい大変でした。

遺族もさることながら袈裟を着るお坊さんはもっと過酷です。夏用とは言え、滝のような汗を流しながらお経を読み終えた住職が倒れそうになった事もありました。

夏は雨も凄いです。もの凄い土砂降りの中で閉眼供養を敢行した事がありましたが、ご高齢の住職も、遺族も全員びしょ濡れで、お墓の中はプールみたいになってるし大変なことになってました。(私は雨合羽に長靴だったので全然平気でしたが申し訳ない気持ちで見てました)

慣れないことだらけで大変かとは思いますが、この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

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